世界で最も取引されるユーロ/米ドル

為替市場ではユーロ/米ドルが世界で最も多く取引される。

外国為替市場では毎日様々な通貨ペアが取引されているが、世界で最も多く取引されるのは日本円のペアではなくユーロ/米ドルだ。FX取引をするならユーロ/米ドルについて詳しく知っておいて損はない。

為替市場全体の約4分の1

外国為替市場は週末を除けば24時間ずっと取引が行われる巨大な金融市場で、そこでは毎日多くの通貨ペアが取引されている。世界には約200の国・地域があり、多くの国が独自通貨を持っているのだから世界に存在する通貨の数は多い。

外国為替取引はある通貨を売って他の通貨を買う交換取引なので、取引の単位は「米ドル/円」など2通貨、つまり通貨ペアで表される。

通貨ペアの中には非常に多く取引されるものと、ほとんど取引されないものがある。世界で最も多く取引されている通貨ペアはユーロ/米ドルで、BIS(国際決済銀行)の調査では世界の為替取引の約4分の1を占めている。

ユーロ/米ドルが取引される理由

ユーロ/米ドルが世界の為替市場で最も多く取引されているのは、ユーロと米ドルという2つの極めて広く普及している通貨間の取引のためだ。

米ドルは世界の基軸通貨であり、アメリカ国内以外でも広く使われる。例えば自国通貨が不安定な途上国では、自国通貨以外に米ドルで決済をすることが当たりまえになっている。そして世界各国の成長率や貿易収支などの経済統計も、米ドルで表されることが多い。

一方ユーロはヨーロッパの統一通貨として2002年に正式に流通が始まった比較的新しい通貨だ。しかしユーロ圏内のGDPは13兆4000億ユーロもあり、1位のアメリカや2位の中国にかなり近い数字だ。またユーロ圏の人口も3億5000万人もある。

これだけの巨大な経済圏で使われるユーロは、通貨として世界的に広く認められている。したがってユーロと米ドルを交換するユーロ/米ドルが、為替の世界で最も多く取引される通貨ペアになった。

中国の人民元は?

ところで世界2位の経済規模を持つ中国の人民元は、為替市場ではあまり取引がされていない。それはなぜだろうか?まず人民元は完全に自由な変動相場制ではなく、今でもまだ中国当局にレートがある程度管理されている。

自由に変動するレートではないので、為替取引の対象としてはあまり好まれない。だから世界2位になって10年以上経つ今でも人民元の取引量は多くないし、日本のFX業者でも人民元を扱うところは少ない。

日本では米ドル/円が最も多い

日本は日本円が法定通貨なので、日本円が入っているペアが多く取引される。日本の為替市場で最も取引量が多いのは米ドル/円。国内のFX取引の統計を見ると、米ドル/円が約半分を占めており、ユーロ/米ドルは10%未満だ。

しかし世界で最も多く取引されるのはユーロ/米ドルなので、FX取引をするならユーロ/米ドルの動向にも目を向けておくのがいいだろう。

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